トップメッセージ

「人と地球の快適環境」を創造する企業としての
存在意義を高めていきます

代表取締役社長 執行役員社長
昨年2021年に文化シヤッターの社長に就任し、1年が経ちました。不確実性が増す社会において、BXグループも多くの経営課題に直面しており、改めて先人たちが築き上げてきた歴史の重さを感じています。当社グループは創業以来、安心・安全という価値提供を通じて社会の発展に貢献することを理念とし、時代に応じた課題解決型の経営を実践することで今日に至る成長を遂げてきました。数々の難題に挑戦し、道を切り開いてきた先人たちの思いを受け継ぎ、ご期待以上の価値提供に努めることが私に与えられた使命だと考えています。
人々が快適に、そして安心・安全に暮らしながらも、自然資源や環境を損なわない持続可能性を両立させることが、私たちの追求する「快適環境」です。BXグループは 「快適環境」の追求を通じて持続可能な成長と企業価値の向上に向けて取り組んでまいります。
振り返りと中期経営計画の進捗状況
長引く新型コロナウイルス感染症の影響や経済不安などの要因により、一時ボリュームダウンを余儀なくされた建築市場も回復の兆しを見せ、企業の設備投資は増加傾向にあります。
一方で、原価高騰の影響も大きく、昨年度は当社グループにとって厳しい経営環境と言わざるを得ない年となりました。当初は業績への影響を覚悟していましたが、民間非住宅着工床面積は、倉庫、工場、事務所等が軒並み増加したことで、主に倉庫向け重量シャッターや、アフターサービス等で売り上げを伸ばし、2期ぶりの増収となりました。
2021年度にスタートした中期経営計画は、人々の暮らしや地球環境など、あらゆる場面における「快適環境」をさまざまな角度から追求し、未来志向で事業の発展に取り組む2023年度までの事業計画です。先行きが不透明なこの時代に、急速に変化するビジネス環境においても揺るぎのない成長を遂げるために、主力事業の基盤を強化する一方で、当社グループの未来を担う事業を育て、発展させていく、この両輪のバランスを取ることで経営のレジリエンスを高めていきます。
収益基盤となるシャッター・ドア等の基幹事業では、住宅や建物のスマート化、インテリジェンス化に対応する商品のIoT化を進め、ニューノーマルの時代に応じた生活ニーズを満たす改善と深化を繰り返すことで期待以上の付加価値を提供し、お客様との末永いパートナーシップをめざします。
注力事業では、気候変動を緩和し、また同時に気候リスクに備え適応するという観点から、地球環境保全や都市の強靭化に貢献するエコ&防災事業とメンテナンス・ロングライフ事業をメインとして課題解決の領域を拡大させます。併せて当社グループにとって突き抜けた強みとなるような新たな価値の創出にも挑戦していきます。
また、当社グループの「革新と挑戦」を下支えする基盤強化を図るため、投下資本に対して当社グループが創出する経済的付加価値を「BxVA」と定義し、2030年までに30億円まで増加させることを目標としています。
中期経営計画の初年度を終え、計画未達が目立ち課題が残る結果となりましたが、都市再開発事業やインフラ再整備等の需要は高まりを見せており、未来を見据えた提案営業による成果が期待できると考えています。
ESG視点でのリスクと機会
中期経営計画では、ESGを強化するための目標を定め、事業リスクを回避するESGの視点を経営戦略に組み込んでいます。
特に当社グループにとってリスクが高いと想定される環境分野においては、「人と地球の持続可能な快適環境」の実現に向け、2021年度に「BXグループ2050年脱炭素宣言」を表明しました。さらに今年度は環境ビジョン「Blue neXpand 2050~未来にひろげよう青空を~」を策定、2050年に向けためざす未来の姿を明確にし、気候変動への対応、資源循環の実現、自然との共生を優先して取り組むべき重点領域としました。
また、気候変動による事業リスクや機会が経営に及ぼす影響を財務面で評価分析し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づいた開示を実施しました。今後はこの分析結果を踏まえ、対応策を含めた議論を深めていきたいと考えています。
社会面においては、働き方の革新を図るほか、SDGsの理念である人権尊重への取り組みやダイバーシティ&インクルージョン、人的資本への積極的な投資を進め、当社グループが文化として継承してきた「人を大切にする会社」を実践していきます。
ガバナンスについては、取締役会の実効性評価の実施や指名・報酬委員会の設置など、経営のチェック機能が適切に発揮される体制の整備を随時推進しています。
これらの各施策についてPDCAサイクルの運用により着実に成果を上げるために、今年度はCSR4憲章マテリアリティの見直しを図り、進捗の指標となるKPI(目標達成指標)を設定しました。
ESGを強化することで将来的、潜在的なリスクと機会を見極め、持続可能性と安定性の確保に努めていきます。
BXグループの社会における存在意義を高める
私たちBXグループは、「快適環境創造企業」です。時代や環境が変化しても、多彩なものづくりを通じて持続可能な快適環境を提供し続けることで人々の幸せを実現することが私たちの使命でもあり、また、社会の中におけるパーパス(存在意義)でもあるのです。パーパスを基軸とした強い組織体となることで、当社グループの従業員、そしてビジネスパートナーの皆様にとっても誇りと思っていただけるような会社にしたいと考えています。
社会やステークホルダーの皆様から頼られ、また選ばれる企業となることをめざし、今後も持続可能な社会の実現とBXグループの価値向上に全社一丸となって取り組んでまいります。