地球と共に
■環境配慮技術・商品開発
BXグループの環境配慮ソリューション
文化シヤッターでは、2007年に「環境配慮設計指針」を制定し、ライフサイクルアセスメント(LCA:製品のライフサイクルにおける環境負荷を定量的に評価する手法)により商品開発プロセスにおける環境配慮基準を明確にし、「省エネルギー化」「環境負荷の軽減」「資源循環」の観点から環境配慮商品の開発に取り組んできました。すでに販売済みの高速シートシャッター等の環境配慮商品について、改めてLCAにより再評価し、基準に沿った改良を実施するなど、現在も既存製品の改良によりさらなる環境負荷の軽減をめざしています。2020年度からは、脱炭素社会への貢献をめざし、さらにLCAの範囲を広げ、改訂する予定です。
2010年には建材メーカーとして培ってきた金属加工技術と全国に展開するアフターメンテナンス体制を活かし、太陽光発電システム事業に参入、さらに遊休地や工場等の屋根を利用した太陽光発電システムによる再生可能エネルギーの活用を推進しています。
100%リサイクル建材「木材・プラスチック再生複合材」の普及
専務理事
奥田 慶一郎 様
政府主導の「society5.0」の実現と国の方針を踏まえた住宅・建材分野における重点課題の一つとして、当団体では日本規格協会を通じた経済産業省からの受託事業である標準化事業を推進しています。特に「グリーン建材・設備製品に関する国際標準化事業」において、日本提案から3年間の活動を経て、2018年3月に木材・プラスチック再生複合材(以下WPRC)の定義、安全性などを規定したISO20819(木材・プラスチック再生複合材・環境仕様)発行に貢献しました。さらに同国際標準化事業の中で、日本の優れたグリーン建材を国際的に普及させるため、新たな提案、規格化に取り組んでいます。
一方、国内でのグリーン建材普及には、当団体のWPRC部会の積極的な働きかけにより、2018年4月にグリーン購入法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」において、特定調達品目に指定され、公共物件における普及促進が期待されます。
気候変動への適応を支援するものづくり
2019年に東日本広域に甚大な被害をもたらした「令和元年房総半島台風」や「令和元年東日本台風」など、近年気候変動による影響が深刻さを増しています。将来、大型台風や集中豪雨、気温上昇による猛暑のリスクなどはさらに拡大することが予想されます。これらを回避、軽減するための対策は急務となっており、BXグループでは、行政や企業等のBCP(事業継続計画)支援や、命を守るためのソリューションで気候変動に適応するものづくりに取り組んでいます。
都市型水害から都市機能を守る文化シヤッター「止水マスターシリーズ」
文化シヤッターの「止水マスターシリーズ」は、このような水害から都市機能を守るため、設置場所や用途に応じた止水ソリューションを取り揃え、いざという時の備えを支援しています。
BXテンパル 各種オーニング
「国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の調査結果によると、地球の平均気温上昇は加速しており、日本では猛暑日がますます増加すると言われています。総務省が発表した「2019 年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」によると日本全国で7万人以上が熱中症の症状により救急搬送されました。
日射しを調節し、外からの熱を遮断することで室内や体感温度の上昇を抑えるオーニングは、省エネ効果だけでなく、体感温度を下げる暑熱対策としても大いに期待が高まっています。
ハイライトBXテンパル
エアコン使用率は約1/3となり節電を実現
「日陰」も「日向」も気温は同じ
日陰が涼しいと感じるのは体感温度が違うから
便利で省エネ「HEMS対応商品」の拡充
文化シヤッターでは、業界に先駆けてHEMSの標準通信規格「ECHONET Lite※」に準拠した窓シャッターを2015年に発売して以来、各HEMS機器メーカーと連携し、外出先からもスマートフォンで開閉操作ができるだけでなく、気象庁が発表する気象警報に連動して自動でシャッターが閉鎖するサービスも開始しています。特に大型台風や爆弾低気圧による特別警報が発令された際など、HEMSとの連携により窓シャッターが自動で全閉になるため、急な天候悪化でも安心して過ごすことができます。さらに外付けブラインドと連携することで、室内に入り込む日差しをコントロールし、室内の冷暖房効果の向上による省エネ効果も期待できます。住宅環境の変化は、IoTの普及により今後ますます加速することが予想されます。文化シヤッターはより快適な環境を追求し、既成概念にとらわれることなく新しい技術開発に挑戦し続けます。