トップインタビュー
文化シヤッター株式会社 代表取締役社長
■BXグループのCSRと事業活動
当社グループは、創業者から受け継ぐ「誠実・努力・奉仕」の精神と経営理念に基づき、グループ全体で社会課題解決に向けた事業活動を進めてきました。この企業姿勢は、CSRの考え方の土台ともなっており、持続可能な社会の実現と、BXグループの持続的成長を可能とする価値の創造に戦略的に取り組んでいます。
当社グループのソリューションは、「マーケット・イン」をさらに進化させ、変化する社会情勢やライフスタイルに適合させる「ライフ・イン」の発想と、当社グループと永く「安心」「安全」にお付き合いいただく、お客様との持続的な関係構築をめざす「ライフロング・パートナーシップ」、2つのコンセプトに支えられています。首尾一貫したコンセプトから創出された「ユニバーサルデザイン」「防犯」「エコ」「防災」「ロングライフ」の分野において課題解決に取り組み、新たな価値として製品・サービスの拡充に注力してきました。今後は時代を“よく看て”、顕在化する社会課題はもとより、将来を見据え、この先起こりうる社会課題の領域にまで、いかに価値創造分野を拡げられるかが、グループの成長の鍵を握ると考えています。
■成長戦略の構築
当社グループは、企業価値を増大させ、価値創造分野を拡大させるためのイノベーションを起こす基盤づくりとして、積極的に事業領域の拡大に取り組んできました。
当社グループの代表的なCSV(社会と共有できる価値の創造)の事例に止水事業があります。ゲリラ豪雨に代表される異常気象が常態化する中、主に大規模施設のBCP対策として提案してきた止水事業を、さらに深掘りし、多様な設置場所に応じて、一人でも簡単に設置でき、繰り返し使用できる“簡易型”というコンセプトのもと新たに提案したのが簡易型止水シート「止めピタ」や店舗用止水板「ラクセット」です。その性能の高さと設置の手軽さから、多くのメディアにも採り上げられ、関心を集めました。
特に東日本大震災以降は、当社グループの製品も少なからず影響を受けた経験から、災害対策ソリューションの開発に主眼を置いています。建築構造計算のBX TOSHO、建築物への耐震補強を専門とする木造建築金物のBXカネシンをグループ会社に迎えたほか、ライフイン環境防災研究所には、新たに耐震試験装置を導入しました。非構造部材への耐震性能に関しては、まだ深い議論がなされていない中、開口部を中心とした非構造部材に耐震性・対震性という高付加価値を兼ね備えたソリューション開発に取り組み始めています。
このようなCSVモデルを時代に先駆けて提案する。これが競争優位を確保するためのBXグループの強みだと考えています。
■中期経営計画
中期経営計画では、今後の市場環境の変化を見据え、まずは事業ポートフォリオの最適化を図り、当社グループの事業を基幹事業と注力事業に整備しました。
創業当初より、当社グループの成長と発展を支えてきたシャッター・ドア事業、建材関連事業を基幹事業と位置づけ、強固な基盤としてさらなる拡充を図ります。
そして事業テーマであるエコ・防災事業、「安心」「安全」な社会づくりのためにお客様との永続的な関係を構築するロングライフ事業、防災設備等の点検を中心としたメンテナンス事業、時代の要請や社会構造の変化に対応した建材を提案する特殊建材事業、事業エリアの拡大を図る海外事業を、当社グループのさらなる発展を担う注力事業として位置づけ、2020年までにセグメントの売上比率3割まで成長させます。
中期経営計画スタート前と比較すると、対2016年3月期比で、ロングライフ事業104.1%、海外事業114.7%、特殊建材事業245.0%、メンテナンス事業119.5%となり、注力事業全体では114.0%と大きな成果が見られました。
■社会と共に持続的に成長する企業をめざして
「ポスト2020VISION」で実現させるあるべき姿「進化する快適環境ソリューショングループ」を今一度グループ全従業員がイメージすることが大切です。BXブランドに誇りを持ち、「BXらしさ」でグループの成長・発展と時代に応じた社会課題の解決を両立させることが、このビジョンのゴールです。
潜在化した社会課題に対して時代の一歩先をいく「ライフ・イン」から発想したソリューションでアプローチしていく挑戦を続けることで、技術により一層の磨きがかかり、「BXらしさ」が確立することでしょう。
ものづくりから新たな価値を生む“ことづくり”へ。
ステークホルダーの皆様との積極的なコミュニケーションで、「社会にとっての価値」を共有し、「BXらしさ」で成長していく当社グループの姿を、皆様にご覧いただけるよう今後も将来に向けての挑戦を続けていきます。